星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc. 好きなもののこと すこしずつ…  #シニアの読書 つなぐ むすぶ ひろがる…

壮大な鳴りの一方で…:クシシュトフ・ウルバンスキ指揮 都響スペシャル

 ** 5/18 記 **

 

大雨になってしまった昨日… (何故かサントリーホールは雨が多い…?)

 

指揮者クシシュトフ・ウルバンスキ氏と都響との初共演 都響スペシャルの公演に行って来ました。

 

 

今日は時間がないので(仮)日記ということでまたちゃんと書きます。

 

ウルバンスキさんの指揮と東響オケとの精密な表現に 幾度も感動しつづけてきた私には、 今回の公演は楽しみではあったけれども ちょっと都響さんに嫉妬心もあり…

 

結果、 タコ5は素晴らしいものでした。 でもそれは納得の、想定していたものでした。 過去にアラン・ギルバートさん指揮での都響も聴いていたので、 あの鳴り響くオケでタコ5を演奏するとこうなるだろうな… という。。

 

弦の鳴りも美しかった。 金管さん素晴らしかった。 羨ましかった…

 

ウルバンスキさんがこの先 とてもお忙しくなって、 客演という形で都響さんや東響さんを振る場合、 ご自身が得意とするものや、その年に演奏を繰り返している名曲というプログラムになるのは仕方ないことだと思うし、 今後ワルシャワフィルなどを率いて来日される場合も そのような名曲のプログラムになることでしょう…

 

でも できることなら東響&ノットさんが成し得たような 挑戦的なプログラムをウルバンスキさんの指揮でもっと聴きたい! そう思っているからこそ、 東響さんでタコ6番を振って下さってあのときは本当に嬉しかったし 素晴しい名演だったと思ってる… あの貴重な体験には今回の公演は及ばなかった と思う…

 

以下 また書きます。  よい休日を…♪

 

 

 ** 5/20 追記 **

 

 

都響スペシャル 5/17 サントリーホール


ペンデレツキ:広島の犠牲者に捧げる哀歌 
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番 ヘ長調 op.102
 ピアノ:アンナ・ツィブレヴァ

 アンコール:ショスタコーヴィチ 24の前奏曲 作品34より第10番 嬰ハ短調

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 op.47

指揮:クシシュトフ・ウルバンスキ 東京都交響楽団

 

今回のプログラムの曲目、 都響さんのHPを読むとショスタコーヴィチイヤーとして ウルバンスキ氏がレコーディングもしている5番をぜひ都響で、という招きだったそうなので、 プログラムの選択は都響さんだったのでしょうか…

1曲目の「広島の犠牲者に捧げる哀歌」については 昨年10月のブログにも書きましたが(>>)、 ペンデレツキの80歳を祝したコンサートでウルバンスキ氏がこの曲を振った経歴もあり、今年が戦後80年ということでこの曲が選ばれたのでしょう。。

もちろん欧州でも今年、大戦終結から80年ということで、ウルバンスキさんは先ごろ、4月末にベルン交響楽団やミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団との公演で、ポーランドの作曲家グレツキによる交響曲第3番『悲歌の交響曲』を指揮されていました。 こちらにウルバンスキさんへのインタビューが載っています。ドイツ語は私さっぱりですが、翻訳機能で読むことができました。
 br-klassik.>>

 

グレツキのこの曲の歌詞には、アウシュヴィッツで亡くなった女性が壁に残した言葉が使われているそうで、ミュンヘンでの公演ではウルバンスキさんは、この曲の演奏後には拍手をしないで欲しいと観客に伝えたそうです。 無言のまま立ち去って欲しいと… カーテンコールも無かったということでしょうか… ポーランド人としてのご自身の想いも語られているようです。

 

そういった公演から2週間後に都響で「広島の犠牲者に捧げる哀歌」を指揮されたということは 戦争(かつての、と現在続いている)へのそれなりの想いがあったと思います。

「広島の犠牲者に捧げる哀歌」、、 ステージを覗き込んだときに見えた譜面がそれは不思議なものでした。。 弦楽器さんの譜面は(遠目には)五線譜を炭で潰したように一面黒く、、 あれは近寄れば音符などが書いてあるのかわからず、どうやって団員さんはあれを読めるのかもわからず、、

 

音楽は 幽かな軋みのような音から次第に音が重なりあっていき、そこに何か瓦礫が崩れるような、鉄骨が壊れるような音が刻み込まれて、、

前もって録音を聴いていたので難解な感じはなかったのですが、もっとノイジーな轟音のようなものをイメージしていたのですが、演奏はとても静かなものでした。不協和音に満ちているのに全体としては静まり返っている。。 やはり作曲家はその音のクラスターに一面の焼け野原(その焼失した後の沈黙した)廃墟を見たのでしょう… それでも風の中にいまだ漂う阿鼻叫喚。熱を失っていく鉄骨の悲鳴のようなもの。 ウルバンスキさんは指揮棒を持たず、両手でテルミンの音をあやつるような、、太極拳の「気」を両手でまとめるような、、そんな動きでした。


グレツキの交響曲第3番『悲歌のシンフォニー』は 昨年6月、沼尻竜典さんの指揮で東響さんが公演をされていました。こちらにインタビュー記事が
 https://tokyosymphony.jp/news/47181/

もしかしたらウルバンスキさんはご自分でも振りたかったのかもしれませんね… 先月のベルンかミュンヘンでの演奏、、 聴いてみたいです。

 

 ***

次の曲は ショスタコーヴィチ ピアノ協奏曲第2番。 ピアノはアンナ・ツィブレヴァさん。

・・・の前に、、 ピアノを中央にセットするのですが… この時間がなんとも遅々として、、 

都響さんの公演は私、2度目なのでこのような搬入の仕方とか、 開演前の音出しの仕方とか入場とか、、 楽団によってこんなにいろいろ違うのね…とちょっと驚き。。 ペンデレツキでの良い緊張感も消えてしまって、、(こういった舞台変更も含めて一連のプログラムだと思っているので…)


ツィブレヴァさんとウルバンスキさんの共演は、 ざっと検索したところ過去にも見当たらず今回が初顔合わせでしょうか…? 
前曲とは打って変わって、 ピアノ協奏曲2番はまるで徒競走かと思うような疾走感ある曲です。

 

ツィブレヴァさんのピアノの音色の堅いことにまず驚き! その音粒の硬質さで(大袈裟に言えば)いつも聴くピアノの音色よりも半音くらい高く聞こえます。(YAMAHAのコンサートピアノでした) なるほど、ロック系のアーティストも多くYAMAHAのピアノを使用しますが、硬質な転がるような打音がこの曲の速さには合っているような気もします。 その一方でオケの音色はオーソドックスな感じで、あまりシャキシャキとは絡んできません。。 ん~~~と思っているうちに第二楽章、、

 

第二楽章のじっくりと聞かせる抑えた演奏はじつに美しかったです。 オケの演奏も極力ちいさめに寄り添う美しさ、、 この辺りがいつものウルバンスキさん風だなぁと思ったのですが、、でも この曲の良さは疾走感にもあるはず…(作曲した本人の演奏があんなに速いんですから…)

 

ウルバンスキさんのキレッキレの(東響でのプロコフィエフのロメジュリで聴かせたような) 鮮烈なオケとピアノとの丁々発止も期待していたのですけど…

第三楽章の変拍子に至っては、、皆さんちゃんと指揮見てます? と(ごめんなさい…身の程知らずにこんなこと…)、、ピアノの裏打ちのようにンタンタンタ…と鳴るはずの弦もぼやけてしまい… (井上道義さんが今の子は変拍子刻めないと嘆いていらしたけど… お願いだから最後だけは決まって…)と思ったら、最後はちゃんとピアノと合いました、、ホッ。

 

思うにこの曲については余り慣れていなかったかリハ不足だったのではないかしら。。 ツィブレヴァさんのピアノもやや先奔る感じなのですが、そこに鋭角的に振る指揮棒に即応する反応の良さが求められるというか… この辺りは東響さんはノット監督の変化する指揮に鍛えられているからなぁ、、と。。 本当だったらこの曲の変拍子なども、もっとウルバンスキさんのキレッキレのダンスが見られたはずだと思うのですが…

 

 ***

休憩をはさんでの後半、 ショスタコーヴィチ交響曲第5番。
こちらは冒頭にも書きましたが予想された通りの、都響さんで5番をなさるとしたら想像される「良さ」の部分がちゃんと生かされたように思いました。
壮大な弦の鳴りの美しさ、、 歯切れのよい金管隊の美音。 MAXになった時の音色の迫力。。


いつものようなウルバンスキさんの(〇木ひろしさん風の横こぶしとか…)動きも出てほっとする反面、この曲のための長いライナーノーツでも氏が語っておられる速度の変化、、(まるで心拍数が急上昇していくような) 小節ごとに変化するような部分ではやはり指揮に即応してこない感じがあってややもどかしい…

 

静謐な第三楽章に入る前、、 汗びっしょりだったウルバンスキさんが(珍しいことに!)肩凝りをほぐすように首をぐるっと回して… あんな仕草は初めて見たので、おもわず隣の友と顔を見合わせてしまいました。。(マエストロお疲れだったのかしら…)

 

第三楽章から第四楽章へのアタッカはとても良かったと思います。 第四楽章では都響さんの惚れ惚れするような壮大な「鳴り」に圧倒されました。 

ウルバンスキさんは最大になっても決して音が割れるような強音にはしない人ですが、、でもラストのトランペットとティンパニが鳴り響く部分では意外なほど大きく鳴らしていて、それが逆に「フツー」な感じさえして、、
(え? これを都響さんに期待して5番を振ったの?鳴らすために?)と思ったら、、 一抹の寂しさも… 本当の狙いは如何だったのかは分りませんけれど。。


・・・じつに勝手なことを書きました。 素人の放言としてどうかお許しください。
、、 ありのままの感想として、 都響との5番は名画の大作を鑑賞したような印象。。 今後また都響との共演が見られるとしたら、 体育会系のウルバンスキ氏の瞬発力ある指示に即応するような鮮やかな演奏を期待したいです。

 

 クシシュトフ・ウルバンスキよりメッセージ(ショスタコーヴィチ交響曲第5番に寄せて(都響)>>

 

 ***

長々と書きました… m(_  _)m…


都響スペシャルと同じ時間、、 ミューザでは下野竜也さんの指揮で スメタナ「わが祖国」全曲をやっていらしたのね…!

今週いっぱいニコ響さんで見られます(嬉し!) 蛇足ですけどウルバンスキさんのベルリンフィルデビューは「わが祖国」でしたね。。 十数年前のそれは明るい希望あるわが祖国でした…(ウル氏も可愛かった…)  今の世界ならどんな風に振るでしょうか…

 

 

午後は 下野さんの「わが祖国」見ましょうっと…(^^♪

 

 


今週も 元気でがんばりましょうね ♡